結婚式の写真はいつか見返さなくなる
こんにちわ。
フリーランスカメラマンの高野です。
ウエディングをメインに撮影をしておりますが、最近は企業のHPやアーティスト写真を撮らせて頂く機会もかなり増えてきました。
何か少しでも気になりましたらお気軽にお問い合わせください。
たまたまこちらのニュースが目に入りまして、気になったので結婚式の撮影をしているカメラマンとして色々考えてみました。
記事によると、結婚式の写真を見返すのは20大のうちで、30代以降は約半数が放置とのことでした。
記事:結婚式の晴れ舞台よ、再び!? 既婚者の約4割は「もう一度特別な衣装を着て写真を撮影したい」と回答
結婚式の写真は見返さなくなるのか
何年も前の話だとしても、色々とこだわりをもって迎えた当日の写真を見返さなくなるのは寂しいですので、なんでなのか少し考えてみました。
物理的に見返す機会が少なくなっている事と精神的に見返す機会が少なくなること、大きくわけてこの2つの要因じゃないかなと思いました。
結婚式の写真は物理的に見返す機会が減る
結婚式が終わって、アルバムを作ったりウェルカムボードを飾っていたりしても、結婚式がおわり家族が増え、住む場所が変わると荷物が増えていきます。
お子さんが生まれてくると、お子さんの写真をたくさん撮って飾ったりアルバムにしたりして行く方が多いと思います。
そのときに取り出しやすい位置、見やすい位置にお子さんメインの写真を持ってくる方が多いのではないでしょうか?
そうすると自分たちのアルバムなどは、取り出しやすい場所からはどんどん離れていき、埃をかぶって見なくなってくる。
そういう流れで見なくなる方も多くなるのかなと思います。
結婚式の写真は精神的に見返す機会が減る
結婚式を終えてから、2人だけで過ごす時間のときにはいろいろな思い出を振り返って、将来のことを話したりすることも多いと思いますが、お子さんができると生活リズムも思いっきり変わることになるので、そういった時間の確保が難しくなってきてしまうんじゃないかなと考えました。
お子さんのお世話がベースになり、慣れるまではバタバタして気付いたらあっという間に時間がたっているという話を聞いたことがあります。
自分自身結婚もしていませんし、こどももいませんので、友人やお客さんから聞いた話から想像して考えています。
一人暮らしから誰かと一緒に生活するというステップアップでも、環境が変わり精神的に余裕もなくなってしまうことがあります。
お子さんがうまれて、お子さんが中心の生活になると、よりそういった余裕が保ちづらくなってきてしまうのではないかなと。
結婚式の写真はどうしたら見返すようになるか?
自分の場合でも実家の物置の奥深くに両親の結婚アルバムがほこりをかぶって置いてあります。
物置に何か探しにいって、いろいろとガサガサ探さないとわからない場所です。
どうしたら毎日じゃなくても、毎月じゃなくても、毎年じゃなくても、みんなで二人の門出の最高の日を見返すことができるのか。
カメラマンとしてここはしっかり考えておきたい部分です。
目に付く場所に飾る
目につく場所に飾ることで、それをきっかけに見返してみたくなる気持ちを定期的に掘り起こす。
飾っている写真が1枚だけでも、誰か家に遊びにきたときなどに、その写真をきっかけにして他の写真もみんなで見返したりすることも想像できます。
記念日に見返す
年に一回でも、結婚記念日などの何かの記念日などを2人やお子さん含めた家族みんなで、家族写真を見返すきっかけにすることも良いかと思います。
家族写真でお子さんの成長を見ながら「この写真のときからこんなにおっきくなったんだねー」といった会話や「パパとママも昔の写真と比べて変わったかな?」なんて会話があったら素敵だなと思いました。
ウェディングの写真を撮り直す
ドレスやタキシードを着た写真をアップデートするということも一つの手だと思います。
上に貼ったリンクでは別の調査も行っていて、こういった結果が出ておりました。
「もう一度特別な衣装を着て写真を撮りたい」と考えている人は、36.7%いるといいます。年代別に見ると一番多いのは20代で75.4%ですが、30代でも45.1%で、40代でも30.6%が「撮りたい」と回答しているのです。 引用元:Suits-woman.jp(Yahoo Japan News)
お子さんにドレスやタキシードを着せて家族みんなで撮影して、新たに写真を残すことも素敵だと思います。
今は結婚式場でなければドレス、タキシードで写真が残せないという事はありません。
ロケーションフォトで外で撮影しても良いし、スタジオで撮影しても良いです。
自分を含めた色々な業者が後撮りに対応しておりますので、そこまでハードルは高くないと思います。
それが3年ごとでも5年ごとでも、みんなで撮影するということになれば、その度に前のときのドレスの写真はどんなだっけ?と思い出したり、結婚式のときとは変わってるかな?と気になって見返したりする方が増えるかなと思いました。
**余談**
余談ですが、以前撮影した新婦さんのご両親の結婚式も担当させて頂いたことがあります。
ご両親も結婚式はあげていたのですが、ドレスの選択肢の少なさや予算など色々な面で満足いくものではなかったとのことで、お子さんたちが協力してお二人の結婚式を改めて行ったそうです。
ドレス選びもお子さんたちについてきてもらい、本当に満足いくものが着れて幸せとお母さんがおっしゃっていて、ドレスに似合うようにダイエットもがんばったとおっしゃっていました。
本当に綺麗で、美しくて、素敵でした。
中にはドレスは若い時しか着れないと思っている方もいらっしゃいますが、そんなことはないです。
何歳だって素敵なんです。
むしろ20代のときにはない美しさがあります。
ご両親の撮影もさせて頂いて、改めてみなさんには着たいと思ったときに着て写真を残して欲しいと思いました。
見返すことがゴールではない
どうしたら見返すことができるのかということについて、考えを書いてきました。
ただ、本質としては見返すことがゴールではないと思っております。
たった一枚の写真かもしれませんが、写真には見た人を前に進める力があったり、過去を思い出すきっかけとなる力があります。
写真をただ見返すだけではなく、その写真をきっかけにして、2人の間の絆や家族での絆を深めていくことが大切だと信じています。
あくまで「写真を見返す」は手段の一つです。
例えば結婚式や前撮りの写真をリビングに小さくでも飾っていて、夫婦間で喧嘩してしまった場合なんかにチラッと目に入れば、その当日のことが一瞬でも頭をよぎりませんか?
結婚式に向けて仕事終わりに疲れながらも準備した日や、結婚式当日に誓った誓い。
そういったことが少しだけでも頭に入ってくれば、少し冷静になれてお互い歩み寄ることができます。
長い間一緒に時間を過ごすと、その距離感や関係があたりまえに感じてしまいます。
それは誰しもが経験あると思いますが、初心を忘れなければ何度でも向かい合って歩み寄る事ができると信じてます。
誰かが言っていましたが「夫婦は時間をかけて夫婦になっていく」そうです。
夫婦になる手段の一つとして写真を見返すきっかけが出来たら、それを残したカメラマンとして幸せです。
さいごに
カメラマンとしては見返してもらえる写真を残すことはプロとして当然です。
それが二人が決めた写真なのか、二人の自然な表情の写真なのかは、人それぞれです。
ですがその日の写真を一回だけ見て終わりではなく、何回も何回も世代を超えても見たいと思える写真を残すことが必要だと改めて考えました。
写真はその一瞬を残しておけますが、時間は進み二人は環境を変えながらも家族として進んでいきます。
何かあったとき、初心を思い返したいとき、支えがほしくなったときに、その一瞬が入っている写真で前を向いてもらえればと思います。
何か不安なことや気になることがあれば、こちらのコンタクトページもしくはLINE@からお気軽にご連絡ください。